日章丸事件のその後と現在は?イランなど海外の反応はどうだった?
映画「海賊と呼ばれた男」によって出光佐三が引き起こした日章丸事件に再び脚光が浴びることとなりました。
地上波放送を記念して実際は事件のその後の展開がどうなっていたかなどをまとめていきます。
日章丸事件のその後と現在
日章丸事件のその後
海賊とよばれた男に出て来る登場人物などはオリジナルですが、史実の日章丸事件をベースに作られた話なので実際には事件のその後があります。
映画では最後に国岡(史実では出光の立ち位置の人)に協力的だったモサデク政権がクーデターにより倒れ、エネルギーをめぐる争いが今後も続いていく感じの締め方をしていました。
モサデク政権は史実でも1953年に失脚させられています。
流れとしてはアメリカの大統領が親モサデク派のトルーマンからアイゼンハワーに変わったことがキーポイントになりました。
イギリスはイランが石油利権を取り戻したことが不愉快なのでイランに対して経済制裁をして、その結果イラン経済は急速に悪化します。
次第に経済悪化の責任をモサデクに問う流れができ始め、それを見たアメリカ:アイゼンハワー政権は議員の一人である元軍人:ザヘディを取り込みます。
そしてCIA主導のクーデターでモサデクを逮捕後無事ザヘディが首相に。
ザヘディはイギリスと石油の契約を再びしますが、その際に過去にあったようなイギリスとの単独契約ではなくアメリカの会社も含めた契約形態に。
アメリカがイギリスに石油の契約手伝いをした分、利権のうまい話にのっかったということですね。
いやめっちゃえぐい話ですよね。イランからしたら助けますよ~って顔をしてた国がまた石油利権を奪ったわけで・・・
当たり前ですがここでの反米感情が強いです。
現在の石油をめぐる戦い
1970年代頃には石油からの利益がイランにも流れるようになり、急速に成長していきます。しかしイランとアメリカはあまりよくない関係です。
イラン・イスラム革命後に米国に不平等条約の撤廃などを求めたんですがアメリカは応じていませんし・・・。
最近の2018年5月8日にも二段階に渡る対イラン制裁の復活を発表しています。目的はイランの原油輸出や貿易を邪魔してイランの経済崩壊させることです。
イランが石油を輸出できなくなればそれを利用する他国も被害を受けますし、トランプ大統領の言っていることをに対しては納得のいっていない人が多いようです。
日章丸事件のイランと海外の反応
イランの反応
イランとしては利権をとられたイギリスにずっと搾取され国民は栄養失調になっているような貧しい状態だったわけですから、そこに風穴を開けたこの事件には歓喜していたようです。
裁判で日章丸の無罪が確定してから2回目のイランの港に到着した時はイラン政府の高官や軍楽隊、民衆数千人の出迎えがあったようです。
なお現在イランが親日国家なのは日章丸事件が関係しているのか?と調べたところ、日本の戦後復興が良かった・日本の車が長持ちする・日本のドラマが面白かったといった点が挙げられてました。日章丸は・・・・?
海外の反応
当時日本は敗戦したばかりでアメリカの支配下にあったわけですが、アメリカはどう見ていたのか?
アメリカは当時モサデク派のトルーマンが大統領だったので、日本の商社がイギリスに喧嘩を売るような行為をできたのはアメリカが反対しないという事実も一つの要因です。
アメリカとしてもイギリスが石油の利権を持っていることで自国で消費する石油代も上がっているわけですから、何とかしたいという状況だったはずですね。
最終的にはイギリスを手伝う感じででえぐいこともしながら利権がおいしい位置に持って行けたわけですから、日本がうまくやってくれたなぁといったところでしょうね。
他にも国連参加していた発展途上国の多くはモサデク政権を応援していましたし、そのため日本のしていたことを応援するムードであったようです。
まとめ
日章丸事件のあとはまたイラク以外の国に石油利権が渡った。
日章丸事件に関してはイランは喜んでいて、他の海外の多くも応援ムード。